薬を開発する薬剤師
私たちの病気を治すのに欠かせない薬。医薬品を開発する現場では薬剤師が関わり、活躍しています。私たちの目にはあまり触れませんが大切な役割です。そこには色々な分野の科学者が参加し、中でも薬剤師を中心に研究が進められます。
薬の開発にはとても時間がかかります。その結果が動物実験において特定の病気に効果があったとしてもそのまま発売できません。果たして人間に効果があるのか、安全か、副作用はないか、さらに医療現場の医師と手を組み一つひとつ確認し、その結果を厚生省が認めて発売されます。
開発を手がけ、その結果を得るまで長い年月がかかることは想像に絶する努力が必要です。途中で思った病気には効果が少なかったが別の病気に効果があったなどということもあります。私の先輩で高血圧薬の薬を開発しようと初めた仕事が、発売した時は痛風の薬でした。開発の苦労は大変だったと聞き、その途中で博士号を取得するほどの研究を重ねたそうです。ただし、そのような結果が出たことは運の良い方で、結果が出ないのが大多数だとも聞きます。先輩の開発薬が、勤める製薬会社に貢献したことはいうまでもありません。