芍薬甘草湯とこむら返り
寝ている時や運動している時に足がつるいわゆる「こむら返り」によく効く「芍薬甘草湯」という漢方薬が有名です。これは芍薬の根と甘草の根のたった2種類の薬草でできています。甘草は筋肉が硬くなることを緩め、痛みも和らげ、芍薬も固まった凝りを柔らかにする働きがあります。この2つがうまくかみ合い、急激に痛む筋肉を和らげます。
こむら返りの原因は大量に汗をかいた後、水だけを飲んで体液の電解質のバランスが崩れたときや、長時間の同じ姿勢、冷え等が挙げられます。就寝の発症は、足首が伸び、ふくらはぎが萎縮していることに加え、運動の疲れ、酒の飲み過ぎ、汗に原因があるようです。
芍薬甘草湯はすぐ効果の現れる薬です。症状が現れてから飲む薬で、予防的に飲んでおく薬ではありません。それでもこむら返りの予防を試してみたい方は、寝る前に1包飲んでみて、5、6回飲んでも治らない時は服用の中止をお勧めいたします。
このように、芍薬甘草湯は急激な症状を緩和しますが、通常の漢方薬のような根本的治療は期待できません。さらに、甘草が多めに使われているため浮腫みなどの副作用の心配があるのです。効果が見られない場合は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談し、他の薬を選んでもらってはいかがでしょうか。