「老人」のウソ
人生の後半にさしかかると、高齢者、後期高齢者などと年齢を基準に称され、生き方や健康状態までもそれに合わせていくことが望ましく、それが正しいことの様に言われる昨今です。このことに異を唱える面白い本が発刊されました。
それは、科学者の武田邦彦著の《「老人」のウソ》という本で、医療や高齢者福祉に対して世の中の常識を真正面でとらえ、常識の真偽を科学者の視点と自己体験で綴り、目から鱗が落ちる切り口で書かれています。
書き出しに「─たとえ年を取ってやや疲れ気味になっているといっても、それによって一律の定年を決めるというのはおかしいのではないでしょうか。これは女性差別ならぬ「年齢差別」です。─人生100年時代というものを迎えて、初めての事態にどう対処すればいいのか、その概念がないからだと思います。つまり、人生100年時代の人生哲学がないのです」。
人生100年時代の後半を、精神も健康もどう考えて生き抜くかの老人の哲学書に思えてなりませんので、この欄で初めて本を紹介させて頂きました。参考にして豊かな後半の人生を過ごしてみてはいかがでしょうか。